


原産国は犬種名とは異なって、アメリカである。
「世界の犬種図鑑(誠文堂新光社/エーファ・マリア・クレーマー著)」によれば、 イギリス、アイルランド、スコットランド、フランス、スペインあたりの牧羊農夫達が、 それぞれお気に入りの牧羊犬を連れて新大陸へと移住した。 そこへオーストラリアで繁殖されたコリーとディンゴの血を色濃く残す犬が交配され、 それら全部が混血することで、長毛で力強く粘り強いシープドッグ、 オーストラリアン・シェパードが誕生した、とある。
犬種の特徴として、活気と持久力に富み、人に良く慣れ、防衛本能旺盛とあり、 運動と仕事さえあればご機嫌とのこと。他の犬種図鑑などでも、書かれる内容はほぼ同じである。
しかし、現実に彼等を飼育する方々のサイトや、犬種別に彼等を紹介するサイトを覗いてみるとどうだろう。 「人に良く慣れ、作業意欲が旺盛で、活発、持久力に富む」といった部分には賛同しながらも、 「飼いにくい」「運動欲を満たせない環境では飼育が困難」等と書かれる事が多い。 また、飼い主側のタイプとして『テンションが高く、彼等の運動意欲に付き合う事が苦にならない人向き』 と言われるたり、「防衛本能が強く、他の犬に対して吠えかかる等の問題が起きやすい」等と 言われる事が多いことに疑問を感じる。

先の図鑑などに書かれる内容と、日本の飼い主達が言う、彼等に対する評価や見解。 この違いは、一体どこから生まれるのだろうか。これからオーストラリアン・シェパードを 飼い始めようと思う人にとって、この入り乱れた情報をどう受け止めるべきか、判断に苦しむだろう。
まず、防衛本能が強い犬種の傾向として「判断力に富んでいる」「力関係に敏感である」 といったことが挙げられる。何かを「守る」「番をする」といった作業は、 非常に判断力を必要とする作業である。特に、「飼い主がいない時に外敵に対し立ち向かう」という行為。 これは、外敵に対する緊張を極度に盛り上げる事で、自らを奮い立たせる 「興奮状態を必要とする作業」ともいえる。
次に、ハーディング作業について考えてみたい。 これは、短時間で終えられる作業ではない為、肉体が多少疲労しても作業を継続する テンションの高さが必要である。また、ハーディング作業の中では、牛などを相手に 攻防を繰り広げる必要がある為、こちらも自らの興奮状態が無ければ出来ない作業と言えるだろう。
以上の事から、犬種の特徴のひとつとして「興奮しやすい(テンションが高い)」 ということが言えるだろう。これらの興奮を鎮められる技量の無い飼い主の元では、 緊張を与えた相手に対して、それらの興奮や緊張を一気にぶちまけることになりかねない。 これは、先に挙げた「他の犬に対して吠えかかる」等の問題として現われてくるだろう。

これらの現象は、確かに犬種の特徴である。しかし、本当にそれだけだろうか。 彼等は、彼等が感じた恐怖や興奮をその対象に対してぶちまけても、この飼い主は嫌なことはしない、 とタカをくくっているのである。これは、日々の生活の中で飼い主が犬に刷り込んでいる結果に他ならない。 日常での飼い主の接し方で、犬達に力量を認められていないのである。 つまり、「問題になってしまう」のは、犬種の特徴ではなく躾の問題なのである。
彼らはもともと判断力に富んでいる犬種である。だからこそ、 飼い主が自分にとってどんな存在かという事を、普段から非常に良く観察している。 彼等は、自分なりのイメージで「飼い主像」を作っているのだ。 これは、決して忘れたり軽んじたりしてはいけない。
他の犬や他人に対して攻撃的であることを、「犬種の特徴」と言ってしまうオーナー達の 飼い方を要約してみよう。彼等の飼育の指針は大抵、犬の運動欲を満たすだけ満たす、 といった方向に向いており、愛犬が自由に駆け回るのを眺めていることを好む。 そこでは、犬に対して仕事としての責務を負わせる事は無い。 つまり、自ら「我侭犬」を作り上げている飼い主なのだ。
彼等は、犬に自由を与えることを至上の喜びと考えていたり、犬同士で遊ばせるなどの、 「飼い主との関わり」より「犬の野生的な部分」を助長する飼い方をしている場合が多い。 このため、「犬の運動にお付き合いできない人間はオーストラリアンシェパードには 手を出すべきではない」だとか、「ノーリードで犬同士遊ばせるのは素晴らしい事」 などとをおっしゃることが多い。

では今度は、そんな彼等の犬の目を向けてみよう。彼等は、一旦リードを離れたら、 自由気ままに気が済むまでそこらを走り回って居るだけで、飼い主との関わりを持ちたがりもしない。 言ってみれば、彼等のオーナーは自分の愛犬に「この飼い主は価値がない」「好きではない」と、 犬達に叩きつけられているのである。が、当の飼い主は、それに気付いてすらいない。
オーストラリアンシェパードも、「その犬種」である前に、「犬」であることを忘れてはいけない。 犬という動物は、群れで行動する動物である。飼い主を群れのトップであると犬が認めているなら、 飼い主から放れたがるというのはとてもおかしなことだと気付くべきではないだろうか。
もともとオーストラリアンシェパードは、「人好き」と紹介される事が多い犬種である。 本来、飼い主と犬との関係が正しく構築されていれば、リードから離れた時には 「飼い主に遊んでもらいたい」と訴えたり、「次の仕事は何をしたら良いですか」 と尋ねてくるものではないだろうか。
どう考えても、飼い主を放っぽって好き勝手に駆けずり回ったり、 ましてや自分の群れ以外の犬と戯れることを選択するというのは不自然である。 それは、飼い主を含む自分の家族であるはずの集団を、自分の群れとして認識されていない、 と判断すべきなのだ。
そんな彼等のオーナー達は口を揃えてこう言う。
「外で繋留して飼える犬種ではない」と。
なんと滑稽なことか!これは彼等の飼い方が誤っているから出来ないだけなのである。 飼い方が正しければ、オゥシーだけが繋留で飼えない犬種であるわけがない。 そのような「犬種を免罪符にしている」タイプの人達は、実際には他の犬種であっても 外に繋留すれば問題を起こす犬にしてしまうだろう。

オーストラリアン・シェパードは非常に頭が良く、判断力に富んでいる犬種である。 彼等を飼いこなそうと思うのであれば、毅然とした態度で、けじめのある暮らしを しなければならない。また、彼らがいきいきとこなせる仕事を考えてあげることが重要である。 犬に好かれたいから…と、犬のご機嫌取りをしたり、日々犬の待遇の向上にいとまが無い… なんてことでは、犬は自分が要求すれば何でも通る、ということを知ってしまうことになるのだ。
オーストラリアン・シェパードのオーナーの多くは、犬が1歳を過ぎた頃から とてつもないスタミナを持つようになってきた、感じるようだ。 その頃になると肉体が形成されるのはもちろんだが、判断力が高まり、 「飼い主は頼りにならない」と感じてしまう暮らしが、彼等の緊張を高める結果となる。 そのストレスを逃がすための運動欲求だと気付いてあげるべきである。
しかも、普段から運動欲求を満たして飼育していれば、当然犬は持久力、筋力、 さらには野生味が増しているのである。成長とともにそれらが増強され、 肉体や精神の渇望感の発散場所を求めることは必至である。
ドッグスポーツ等に興じるのであれば、肉体を強化したり、 テンションを高く維持することは必要かもしれない。 しかし、ただでさえ筋肉質になりやすく、興奮しやすい気質の犬種を、 一般的な家庭犬として飼おうとするなら、ことさらテンションを上げるような 接し方や肉体の強化などは、飼育を困難にさせるだけではないだろうか。

犬種を生み出した原産国では、彼等が果たすべき仕事が存在し、そのために彼等は生み出された。 彼等は彼等の仕事のために伸ばされてきた、本能に従った生き方が許される環境にあったのである。 しかし、彼等の本能に合う仕事を得られないわが国の環境では、伸ばされてきた本能は、 むしろ押さえ込む必要がある。満たされない欲求を満足させてばかりいたのでは、 彼等の肉体や持久力はますます増強し、飼い主は犬の存在に振り回されることになるだろう。
オゥシーとは、なんと不幸な犬種なのだろう。「飼いにくい犬種だ」と言う方達は、 飼いにくくなる犬を自ら作り上げているのだ。自分の飼い方の間違いに気付きもせず、 犬種のせいにしているのである。
犬の肉体疲労の回復は早い。しかし、頭を使ったことによる疲労は、 回復には時間がかかるのである。そして、彼等は頭を使う仕事を与えてくれる飼い主に、 尊敬の念を抱く動物なのである(丁度我々が「頑張ればクリア出来る課題を与えてくれる教師」 を尊敬するように)。彼等には肉体を強化するのではなく、 知恵を働かせる暮らしを提示してあげるべきだ。

彼らはもともと、純朴で、仕事以外に何かを要求することの無い、素晴らしいパートナーだ。 しかし、人間は彼等を擬人化し、至れり尽くせりし過ぎてしまった。 彼らは人に対し要求することや、要求が満たされなかった時にはに不満を訴えることを 体得してしまったのである。
犬種の紹介文などに「牧羊犬種である」という内容が必ず記載されている。 それゆえ、当然持久力などが備わっている犬種なのだから、その欲求を満たしてあげなければ ストレスになる…といった「思い込み」が日本人の中には存在する。
本来持ち合わせていても、そのままで暮らせないのであれば、それは抑えて適応させるべきである。 それなのに、「解放してあげるべき」などと歪曲された結果「家庭犬としては飼いにくい」 とレッテルが貼られてしまったのである。仮に、解放するにしても、 彼等が満足できるだけの充分な運動を、毎日必ず与えられるのだろうか。 犬という生き物は、習慣性の動物なのだ。「毎日の日課がこなせない」というのは、 犬にとって多大なストレスとなる。日課として与えられる日は良いが、 それが出来ない日には、余計にストレスが溜まるだろう。
しかし、毎日運動で発散するという習慣を作らずに暮らしてしまえば、 習慣性の動物である犬は、それが当たり前になるのである。 たまに体を解放する日を設けてあげれば、それは犬にとって喜びになるだろう。

作業犬や競技犬ではなく、家庭犬として迎えたのならば、 必要なのは彼等の筋力や持久力を伸ばすことではない。 やるべきことは、彼等の頭に良い刺激を与えてあげることだ。 人との関わりを、楽しく安心出来る、理解しやすいものにする為に、 遊びや仕事を通して人間が関ってあげなければならない。
遊びのグレードアップには、物欲という本能が欠かせない。 しかし、物欲を伸ばした犬達を家の中で自由にしておくことは、 飼い主がしっかりとけじめをもって接しなければ、家具などの破壊に繋がりかねない。 人との密接な関わりを求めるような、愛らしい家庭犬にしたいのなら、 歯を使った破壊行動をいちいち叱るより、最初から外飼いする方が、 彼等とは良いお付き合いが出来るのではないだろうか。
オーストラリアン・シェパードを上手に飼いこなせる人とは、 外飼いにしても平静で居られる『犬から自立している人』であり、 『けじめのある人』であり、良い仕事を提供できる『思考力のある人』である。 『彼等の遊びや運動欲求を満たしてあげられるテンションの高い人』ではない。
良い意味での緊張感が維持できる飼い主であれば、 オゥシーは外飼いも繋留飼いもできうる犬種である。良い意味での緊張感とは、 「物欲を伸ばした犬を室内でフリーにした場合、どういった問題が発生するだろうか」 「今の自分の行動は、先々どのようなことに発展する可能性があるのか」と、 一つ一つ冷静に考える姿勢を持ち、「今の愛犬のアクションには どんな意味が込められているのだろうか」といった観察を常に怠らないという事である。 これは、オゥシーに限った留意点ではない。ある程度の大きさの犬を飼うのであれば、 当然飼い主に求められる事だろう。
なにより彼らは、その毛質、テンションが高いという性質に基づく代謝から言っても、 室内で飼育する方が可哀想に感じるくらい、彼らは暑がりな犬種である。
外で飼う場合には、犬が自ら知能を開発できる刺激が得られる環境が望ましい。 コンクリート打ちの場所で置かれた犬と、地面に直接接することができる環境に置かれた犬とでは、 性質の「粘り」や「理解力」ひいては「自信」などにもその差は歴然と表れ、 それらは成犬となったときの性能や感度の差となって現れてくる。
犬を地面に直接置けば、当然穴掘りなどの行動に出る。 それらの行為を「問題視」せざるを得ないならば、そもそも犬との関わらないことが 一番であるとも思う。だが、それでもオゥシーと暮らしたいと考えるなら、 飼い主はそれらの問題をしっかりと押さえ込む、意志の強さや思考力を磨くことが必要である。

また、これからオーストラリアンシェパードを飼おうと考えている方に、 ひとつ確実なアドバイスを申し上げるなら、この犬種は飼いにくいだとか、 「運動が絶対必要」と推奨している方の繁殖した仔犬には手を出さないことだと申し上げたい。
そのように推奨してしまう方達は、現時点でオーストラリアンシェパーの 良さを実感できるような飼い方が出来ていなのである。子犬にとって、 飼育上の習慣や性格形成に必要な刷り込みの一番重要な時期に、 母犬や父犬でさえ適切な扱いが出来ていない人間が、最初に接触を持つことは、 確実に後々の問題を大きくするだろう。
運動、運動、と、全てを肉体の解放によって収めようと考えている方が育てる子犬は、 頭を使う機会が少ない為、理解力が育ちにくい。その為、野生的な部分ばかりが増強させられ、 テンションが異常に高められた仔犬であり、我慢する事を全く教育されていない可能性が高いのだ。
そのような仔犬の多くは、いつもドタバタとせわしなく動き回る。 また、その行動に制約を受けた時には過剰な反応を示し、緊張による尿失禁をしたり、 餌に対する異常な執着を持ち、自分が排泄した糞尿の上を平気で歩き回り、 過度の緊張からよく吠える。また、甘噛みが酷いなど、様々な弊害が多く見られる。
尿失禁(これは俗に「ウレション」等と呼ばれているが、これは嬉しさからの現象ではない。 人間に対する緊張から体に力を入るために、オシッコが漏れているだけである。 それを「嬉しくて漏れている」とは、なんとも頓珍漢な考え方だ)があったり、 後足を開いて腹部をさらすといった、犬同士においてであれば服従をあらわす ソケイ部提示を人間に対して示す子犬が居る。そのほとんどは、人間が仔犬を弄り回した結果、 人間に対する恐怖心を植え付けられていることが多く、幼い時期に人間不信を植え付けられてしまっている。 それらの子犬と言うものは一緒に暮らす上での不都合が多くなりやすい。

商売上での営業トークといった、無責任で軽薄な意味としてではなく、 心から「オーストラリアンシェパードという犬種は素晴らしい素質を持っている」 と感じている方が繁殖した仔犬たちであれば安心だろう。 少なくとも、その仔犬を繁殖した方は、オゥシーとの正しい接し方を知っているわけだ。 もちろんそれは、あなたの性格や能力、環境や入手しようとしている子犬の性質とは 異なっているかもしれない。しかし、正しい扱い方の一例として、 参考にすることは十分可能である。もっと長けていらっしゃるブリーダーであれば、 後々のアドバイスも得られる可能性が高い。
何より、最初に仔犬が接する人間である繁殖者が、 その犬種の良さを正しく引き出せる方であれば、その子犬は、 そうではない場合とは比べ物にならない程、良い状態にあるだろう。
そこで問題となるのが、ブリーダーのオゥシーへの褒め言葉が、 ただの営業トークなのか、心からオゥシーという犬種を高く評価しているものなのかを、 どのように見分けるか、ということだろう。
私は、その1つの指針として、繁殖者の言葉に 「そこの犬達がどれだけ飼い主の言葉に耳を傾け、飼い主として認めている態度」 が見られるかと言うことを判断の材料としている。
我が家でオゥシーを迎えるまで、私自身、何軒かのブリーダーを訪ねた。 最初に訪ねた所の犬達は、飼い主の制止など全く気にも留めず、 しかも、止むことの無い吠え声に近所からの苦情が来ることを恐れたブリーダーは、 犬の吠え声を止めるために、彼等を一斉に犬舎から放ってしまった。
群れの状態で放たれた犬達は、勢いよく私の同行者に飛びかかり、 肩からさげていた荷物に、中身をまさぐるように鼻先を突っ込んできた。 人間に対する遠慮など、何も教育されていないことが、真っ先に露呈したのだ。
それを目にした私の拒絶の気配を感じてか、私の元にはさすがに近づいては来なかったが、 彼等は見慣れない侵入者が何もくれないと知ると、今度は群れのまま敷地内を縦横無尽に走り回り、 敷地のどこかへ走り去っていった。
このような野生のままの状態で飼われている所から犬を迎えた日には、 まず最初に吠え声による近所とのトラブルが始まるのは明らかである。 しかし、そのブリーダーがおっしゃるには、このように親兄弟といつも 戯れて過ごしているからうちの子達は健康で良い子だ、というのである。
あのような状況で「うちの子は良い子」という言葉は、早く犬を売りさばきたいだけなのだろう。 もし仮にあの状態にありながら、本心から「うちの子は良い子」と考えているのなら、 それはそれで更に問題であるが・・・。
当然このブリーダーには、帰路の途上、絶対お断りの電話をしようと同行者と話した。

子犬の性格の基礎となる刷り込みの時期としては、生後二ヶ月ほどでその大部分が形成される。 生後50日前後までであれば、誤った扱い方を受けていても、改善の余地はまだ有るように感じられる。 しかし、生後60日の段階では、程度によっては望みはかなり薄くなる。 これは、私自身の体験を通して実感している事だ。
35日齢といった生後まだ間もない時期に、仰向けにしてじっとさせるなど、 意識的に軽い負荷を与えられて過ごした子犬は、良い意味で性格に粘りがある。 自分にとって不都合な事が起きた時に「どうすればその問題をクリア出来るのか」 といった考え方が出来る、冷静さがあるのだ。しかし、そのような負荷が全く与えられず、 家の中を縦横無尽に兄弟犬等と走り回っていて楽しいことばかりで過ごしてきた子犬には、 「頭を使ってものを考える」という習慣が無い。野生の部分ばかりが強調され、 粘りが無く、何か自分にとって不都合が生じるとパニックに陥ることが多い。 ギャンギャンと叫んでみたり、乳歯の鋭い歯を行使して、 それらの困難から逃れようとするなどといった問題が多い。
子犬の引渡しまでの期間に、一度も叱ったことが無いといったことを自慢して、 さも「仔犬を大切にしてきました」と思い込んでいるようなブリーダーがいる。 そういったブリーダーから子犬を迎えることは、 本来なら繁殖者が行わなくてはならなかった叱責するという行為を、 全て自分がかぶり、あなたが悪者になることである。
それだけで済むならば一時悪者になるのも良い。 しかし、もしそれでも「既に刷り込まれてしまった悪癖」 を取り去ることが出来なかったら…その子の一生という長い年月を、 問題を抱えたまま暮らすことになるのだ。
もしかすると、「オーストラリアン・シェパードと言う犬種は一般家庭では飼いにくい犬種だ」 と言う飼い主達は、先のブリーダーのように、人間との暮らし方の基本を何も教えず、 野生的な部分ばかりを助長する刷り込みをしてしまう繁殖者から仔犬を、 そうとは知らずに入手した「ブリーダーの犠牲者」なのかもしれない。
子犬がごく幼い時期に刷り込まれた内容は、意識の奥深いところに定着するものである。 それ故に、なかなか厄介で、改善が困難である事を、頭の片隅に留めることが必要ではないだろうか。

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